デリートマスター

スマホで完結!SNSのダイレクトメッセージ(DM)履歴を安全に削除する方法

Tags: SNS, DM, メッセージ履歴, 個人情報保護, スマホ操作

はじめに

オンライン上での活動が日常となる現代において、SNSは友人とのコミュニケーションや情報収集に欠かせないツールです。しかし、そこには目に見えない「足跡」が残されていることをご存知でしょうか。特にダイレクトメッセージ(DM)や個別のチャット履歴は、公開されない情報であるため意識が向きにくいかもしれませんが、将来にわたって様々なリスクをはらんでいます。

本記事では、スマートフォンだけで手軽に実行できる、主要なSNSプラットフォームにおけるDMやメッセージ履歴の削除方法を詳しく解説いたします。なぜDM履歴の管理が重要なのか、どのようなリスクがあるのかについても触れますので、ご自身のオンライン上の足跡を見直すきっかけにしてください。

なぜDM履歴を消すべきか?具体的なリスク事例

SNSのDMやメッセージ履歴は、友人とのプライベートなやり取りが中心であるため、「公開されないから大丈夫」と思いがちかもしれません。しかし、以下のような具体的なリスクが存在します。

1. 就職活動への影響

企業が採用活動において、応募者のSNSアカウントを調査するケースが増えています。表向きの投稿だけでなく、万が一アカウントが乗っ取られたり、予期せぬ形でDMの内容が露見したりした場合、過去の不用意な発言や、人間関係のトラブルに関するやり取りが企業の目に触れ、採用担当者に悪印象を与えてしまう可能性があります。特に、特定の個人に対する批判的な内容や、常識を逸脱した発言が残っていると、社会人としての資質を疑われることにもつながりかねません。

2. 個人情報の漏洩・悪用

DM内で友人や知人と共有した個人情報(例: 住所、電話番号、メールアドレス、学生証や運転免許証の画像など)が、アカウント乗っ取りやセキュリティ侵害によって外部に流出するリスクがあります。これらの情報が悪意のある第三者の手に渡ると、詐欺、ストーカー行為、なりすましなど、深刻な被害につながる可能性があります。また、オンラインサービスのアカウント作成時にDMで共有したパスワードのヒントなども、セキュリティリスクを高める要因となりえます。

3. 人間関係のトラブルや風評被害

過去に友人との間で生じた些細な揉め事や、特定の個人に対する不満を共有したDMが、関係性の変化によって問題視されることがあります。特に、グループDMでのやり取りは、思わぬ形で第三者に共有され、人間関係のトラブルに発展したり、ご自身の評判を損ねたりする原因となる可能性があります。一度インターネット上に流出した情報は、完全に消し去ることが非常に困難であることを理解しておく必要があります。

主要なオンラインサービス・プラットフォーム別 DM削除方法(スマホ操作中心)

ここでは、代表的なSNSプラットフォームにおけるDMやメッセージ履歴の削除方法を、スマートフォンでの操作に重点を置いて解説します。

1. X(旧Twitter)のDM削除方法

XのDMは、個別のメッセージを削除する機能と、会話全体を削除する機能があります。

メッセージを削除する(自分の画面からのみ): 1. Xアプリを開き、画面右下のメッセージアイコン(封筒のマーク)をタップしてDM画面に移動します。 2. 削除したいメッセージが含まれる会話をタップして開きます。 3. 削除したい個別のメッセージを長押しします。 4. メニューが表示されたら、「送信を取り消す」または「メッセージを削除」を選択します。 * 「送信を取り消す」: 自分の画面だけでなく、相手の画面からもメッセージが削除されます。ただし、送信後一定時間が経過している場合や、相手がすでにメッセージを読んでいる場合には、取り消しができないことがあります。 * 「メッセージを削除」: 自分の画面からメッセージが削除されますが、相手の画面にはメッセージが残ったままになります。

会話全体を削除する(自分の画面からのみ): 1. Xアプリを開き、DM画面に移動します。 2. 削除したい会話を左にスワイプします。 3. 表示される「ゴミ箱」アイコンをタップします。 4. 確認メッセージが表示されたら、「会話を削除」をタップします。 * この操作で会話全体が自分のDM画面から削除されますが、相手のDM画面には会話が残ったままになります。相手側の会話を削除することはできません。

2. InstagramのDM削除方法

InstagramのDMも、個別のメッセージの取り消しと、会話全体の削除が可能です。

メッセージを削除する(相手の画面からも削除可能): 1. Instagramアプリを開き、画面右上の紙飛行機アイコンをタップしてDM画面に移動します。 2. 削除したいメッセージが含まれるチャットをタップして開きます。 3. 削除したい個別のメッセージを長押しします。 4. メニューが表示されたら、「送信を取り消す」をタップします。 * この操作で自分の画面だけでなく、相手の画面からもメッセージが削除されます。相手がメッセージをすでに読んでいても取り消しは可能です。

会話全体を削除する(自分の画面からのみ): 1. Instagramアプリを開き、DM画面に移動します。 2. 削除したいチャットを左にスワイプ(Androidの場合は長押し)します。 3. 表示される「削除」または「ゴミ箱」アイコンをタップします。 4. 確認メッセージが表示されたら、「削除」をタップします。 * この操作で会話全体が自分のDM画面から削除されますが、相手のDM画面には会話が残ったままになります。

3. LINEのトーク履歴削除方法

LINEは、個別のメッセージを「送信取り消し」する機能と、トークルーム全体の履歴を削除する機能があります。

メッセージを削除する(自分の画面からのみ) / 送信を取り消す(相手の画面からも削除可能): 1. LINEアプリを開き、削除したいメッセージが含まれるトークルームをタップして開きます。 2. 削除したい個別のメッセージを長押しします。 3. メニューが表示されたら、「削除」または「送信取消」を選択します。 * 「削除」: 自分の画面からメッセージが削除されますが、相手の画面にはメッセージが残ったままになります。 * 「送信取消」: 自分の画面だけでなく、相手の画面からもメッセージが削除されます。ただし、送信後24時間以内という時間制限があり、また相手のLINEバージョンによっては完全に消えない場合があります。送信を取り消すと、そのメッセージがあった場所に「メッセージの送信を取り消しました」という表示が残ります。

トークルームの履歴全体を削除する(自分の画面からのみ): 1. LINEアプリを開き、削除したいトークルームをタップして開きます。 2. 画面右上にあるメニューアイコン(三本線)をタップします。 3. 表示されるメニューの中から「設定」(歯車アイコン)をタップします。 4. 「トーク履歴をすべて削除」をタップします。 5. 確認メッセージが表示されたら、「削除」をタップします。 * この操作でトークルーム内のすべてのメッセージが自分の端末から削除されますが、相手の端末にはトーク履歴が残ったままになります。

削除・非公開設定に関する注意点・落とし穴

DMやメッセージの削除機能は便利ですが、いくつか注意すべき点があります。

1. 相手の端末からは消せない場合が多い

多くのSNSやメッセージアプリでは、特定の「送信取り消し」機能を除き、自分の端末でメッセージや会話を削除しても、相手の端末にはその履歴が残り続けます。 これは、メッセージがそれぞれのユーザーの端末に保存されているためです。したがって、相手が意図的にメッセージを保存している場合やスクリーンショットを撮っている場合は、完全に消し去ることはできません。

2. 「送信取り消し」には制限があることも

XやLINEの「送信取り消し」機能は、相手からもメッセージを消せる便利な機能ですが、利用できる時間制限があったり、相手のアプリのバージョンによっては完全に機能しなかったりする場合があります。また、送信取り消しを行ったことが相手に通知されることもあるため、完全に痕跡を消せるわけではないことを理解しておく必要があります。

3. バックアップからの復元リスク

もしSNSアカウントがハッキングされたり、第三者の手に渡ったりした場合、過去のDM履歴がバックアップデータから復元されてしまうリスクもゼロではありません。日頃からアカウントのセキュリティ対策(二段階認証の設定など)を徹底することが重要です。

まとめ・今後の対策

オンライン上のDMやメッセージ履歴は、一見プライベートなやり取りに見えても、将来的に様々なリスクにつながる可能性がある「オンライン上の足跡」の一つです。特に就職活動を控える世代にとって、過去の不用意な発言が思わぬ形で評価に影響することも考えられます。

今回ご紹介した具体的な削除方法を参考に、ご自身のSNSアカウントを見直し、不要なDMや履歴を定期的に整理することをおすすめします。ただし、削除しても相手の端末には残る場合が多いこと、「送信取り消し」にも制限があることを理解し、何よりも「オンライン上で交わす言葉は、いつでも公開される可能性がある」という意識を持ってコミュニケーションをとることが最も重要です。

安全なオンラインライフを送るために、この記事が皆さんの意識向上の一助となれば幸いです。